「どうしてこんなに嫌がるの?」に悩む親御さんへ
子どもが薬を嫌がって飲まない――そんな経験をしたことがある親御さんは多いのではないでしょうか。 体調を崩して薬が必要なのに、嫌がって飲んでくれないと、焦ってしまいますよね。
私自身、登録販売者としての知識と、子育てを通じた経験から、少しでも役立つ工夫をお伝えできればと思っています。
なぜ子どもは薬を嫌がるの?
薬を嫌がる理由はいくつかあります。
- 味やにおいが苦手:特に苦味や独特な風味のある薬は、小さな子には強い拒否感を与えます。
- 飲み込むことが怖い:錠剤やカプセルは「のどにつかえるかも」という不安を引き起こすことがあります。
- トラウマ的な経験:以前に無理やり飲まされた経験があると、それを思い出して拒否してしまうことも。
- 体調不良で気力がない:そもそも体調が悪く、何も口にしたくない状態であることも。
このような理由を理解したうえで、無理強いせずに「どう飲ませるか?」を考えていくことが大切です。
粉薬が苦手な子への対処法
粉薬は特に嫌がるお子さんが多いですが、工夫次第でスムーズに飲めるようになります。
- 服薬補助ゼリーを活用:市販の「おくすり飲めたね」などは、苦味をマスクしてくれます。
- アイスやプリンに混ぜる:冷たいものや甘い味にまぎれさせると、比較的飲みやすくなります。
- 少量の水で練ってペースト状に:スプーンにのせてそのまま口に入れ、すぐに水やジュースで流し込む方法も効果的。
- 毎回の服薬をイベント化:お気に入りのコップやスプーンを使うと「飲むこと」への抵抗が減ることもあります。
シロップ剤や水薬が苦手な子にできること
液体の薬も味が合わなかったり、においで嫌がる子がいます。
- ジュースで味をカバーする(※要医師・薬剤師の確認):許可があればオレンジジュースなどで割って飲ませることも。
- ストローで遊び感覚を演出:直接口に入れるより、ストローのほうが楽しく飲んでくれる子も。
- 飲む前後に好きな味でフォロー:ガムシロップやラムネを使って「いやな味」をごまかす工夫も有効です。
どうしても飲んでくれない時の選択肢
あらゆる工夫をしても飲んでくれない場合、以下のような対応を検討しましょう。
- 一度中断して時間を置く:子どもの気持ちが落ち着いた頃に再チャレンジ。
- 剤形変更を相談する:医師に相談すれば、座薬や貼付剤など別の形に変更できる場合もあります。
- 子どもの気持ちに寄り添う:無理に飲ませると恐怖心が強まり、ますます拒否が強くなる可能性があります。
登録販売者として伝えたいこと
市販薬でも、子どもに使う場合は必ず「年齢に適した用法・用量」を守ることが基本です。 また、最近は子ども向けに味や剤形に配慮された製品も増えてきています。
困ったときは、ドラッグストアの登録販売者や薬剤師に相談してください。 一人で抱え込まず、専門家の力を借りるのも大切な選択肢です。
まとめ:親の「焦り」より「安心感」がいちばんの薬
薬を嫌がる子に無理やり飲ませるのではなく、「どうすればスムーズに飲めるか?」を考える姿勢が大切です。
子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ薬に慣れてもらいましょう。
登録販売者として、そして一人の親として、あなたの家庭のケアを応援しています。
コメント