子育て中の家庭では、急な体調不良やケガに備えて市販薬を常備しておくと安心です。ただ、子どもは大人とは体の反応も違い、使える薬も限られます。そこで今回は登録販売者の視点から、子育て家庭におすすめの常備薬リストを紹介します。
常備薬を選ぶポイント
子ども向けの常備薬を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 対象年齢に合っているか
- 安全性が高い成分か
- 用法・用量が明確か
- 家族全員で使いやすいものか
無理に多くの薬を揃える必要はありません。使用頻度の高い症状を想定して準備しておくとよいでしょう。
① 解熱・鎮痛薬
おすすめ:アセトアミノフェン製剤(例:小児用バファリン、タイレノールA など)
- 発熱や痛み(頭痛、歯痛、予防接種後の発熱)に使えます。
- アセトアミノフェンは小児でも比較的安全性が高く、広く使われています。
- ポイント:必ず年齢・体重に合わせた用量を守りましょう。
👉 注意
イブプロフェンは製品によっては小児使用が認められていますが、年齢制限があるため注意が必要です。自己判断せず説明書をよく読みましょう。
② かぜ薬
おすすめ:単症状対応薬
- 子どものかぜ薬は基本的に「症状を和らげる」もので治療薬ではありません。
- 発熱だけなら解熱薬、鼻水なら抗ヒスタミン成分、咳なら鎮咳成分というように単症状ごとに使い分ける方が安全です。
👉 注意
総合感冒薬(いわゆる全部入り)は成分が多くなりがちで、特に小さい子には向かない場合もあります。
③ 整腸薬・下痢止め
おすすめ:ビオフェルミンなどの整腸薬
- 軽い下痢やお腹の調子が悪いときに整腸薬を使うと安心。
- 子ども向けにはビフィズス菌などの善玉菌製剤が使いやすいです。
👉 注意
激しい下痢や嘔吐、血便などがある場合は自己判断せず受診を。
④ 消毒薬・外用薬
おすすめ:
- 消毒薬(ポビドンヨード、クロルヘキシジンなど)
- 軟膏(ワセリン、保湿クリーム)
- 傷薬(抗生物質入り軟膏はドラッグストアでも購入可能な製品も)
👉 注意
アルコール消毒は刺激が強い場合もあるので、子どもにはやさしい成分を選ぶとよいでしょう。
⑤ 乗り物酔い薬
おすすめ:ドロップタイプの酔い止め(5歳以上で使用可)
- お出かけの多い家庭では常備しておくと安心です。
- 使用年齢の確認は必須。
⑥ 保湿・スキンケア
- 乳児湿疹や乾燥肌対策に、低刺激な保湿剤(ヘパリン類似物質、ワセリンなど)が役立ちます。
⑦ アレルギー対策
- 鼻水やくしゃみ対策に抗ヒスタミン薬を用意することもあります。
- 小児用の成分や用量に注意しましょう。
市販薬は万能ではないことを知ろう
市販薬は身近で便利ですが、症状が長引く、重い、いつもと違うと感じたら医療機関を受診することが大切です。
また、子どもの体調は変化が早いので、「様子を見る時間」も大人より短めに考えるのが基本です。
まとめ
子育て家庭での常備薬は「使いすぎず・備えすぎず」がコツです。登録販売者の視点でお伝えしましたが、薬は説明書を必ず確認し、分からないときは薬剤師・登録販売者に相談する習慣をつけましょう。
安全な備えで、子どもたちの笑顔を守っていきましょう!
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