1. はじめに
寒くなる季節に増えてくる「風邪」と「インフルエンザ」。
どちらも似たような症状が現れるため、違いがわからず対処を間違えてしまう方も少なくありません。
今回は、登録販売者の視点から「風邪とインフルエンザの違い」や「市販薬の選び方」について、わかりやすく解説します。
自分や家族の健康を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
2. 「風邪」と「インフルエンザ」の違い
まずは、風邪とインフルエンザの主な違いを見ていきましょう。
項目 | 風邪 | インフルエンザ |
---|---|---|
原因ウイルス | 多くの種類(ライノウイルスなど) | インフルエンザウイルス(A型・B型など) |
主な症状 | のどの痛み、鼻水、くしゃみ、微熱など | 高熱(38〜40℃)、関節痛、全身倦怠感など |
発症の仕方 | 徐々に進行 | 急に強い症状が現れる |
重症化リスク | 低い | 高い(特に高齢者・乳幼児・基礎疾患のある方) |
インフルエンザは突然の高熱と全身の強い症状が特徴で、早めの対処が重要です。
一方、風邪は比較的軽度で、数日〜1週間ほどで自然に回復することも多いです。
3. 症状別|市販薬の選び方
● 風邪の場合
風邪は複数の症状が出ることが多いため、「総合感冒薬」がよく使われます。
ただし、症状ごとに適した薬を選ぶとより効果的です。
症状 | おすすめ市販薬の種類 |
---|---|
のどの痛み | トラネキサム酸、アズレン配合ののど薬 |
鼻水・くしゃみ | 抗ヒスタミン剤配合の鼻炎薬 |
咳・たん | デキストロメトルファン、アンブロキソールなど |
熱・頭痛 | アセトアミノフェン配合の解熱鎮痛薬 |
● インフルエンザの場合
インフルエンザはウイルスの力が強く、市販薬では根本的な治療はできません。
ただし、以下のような対処は可能です。
- 高熱や関節痛がつらい → アセトアミノフェンで緩和
- のどや咳のケア → 総合感冒薬やのど薬の一時的使用
※特に38.5℃以上の高熱や全身症状が強い場合は、医療機関を受診して抗インフルエンザ薬(タミフルなど)の処方を受けることが大切です。
4. 登録販売者のワンポイントアドバイス
- 市販薬の併用には注意!
例えば、総合感冒薬と解熱剤を同時に使うと成分が重複し、過剰摂取になることがあります。 - 飲むタイミングを意識する
空腹時を避ける、就寝前に咳止めを飲むなど、少しの工夫で効果が変わります。 - 薬以外のケアも重要
こまめな水分補給・加湿・安静・栄養バランスを心がけましょう。
5. よくある質問(Q&A)
Q. インフルエンザかも…でも熱がない場合は市販薬で大丈夫?
→ 無熱のインフルエンザもあります。強いだるさ・悪寒・関節痛があれば、念のため受診をおすすめします。
Q. 家族にうつさないためにはどうすれば?
→ マスク着用・手洗いうがい・部屋の加湿・タオルを分けるなど、基本的な感染対策が重要です。
6. まとめ
風邪とインフルエンザは似ているようで全く違う疾患です。
症状を見極めて適切な市販薬を選ぶことで、回復までの時間が短くなります。
特にインフルエンザが疑われる場合は、早めの受診が大切です。
市販薬に関してわからないことがあれば、薬局の登録販売者にもぜひご相談ください。
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