子育て中は、突然の子どもの発熱や咳・鼻水に不安になるものです。病院がすぐに開いていないときなど、「市販薬で何とかできないかな」と考える方も多いでしょう。
本記事では、登録販売者の視点から、子どもの風邪症状に市販薬を使うときの注意点や選び方を、わかりやすく解説します。
子どもの風邪症状とその特徴
子どもの風邪は、主にウイルス感染が原因です。免疫力がまだ十分ではないため、大人よりも症状が出やすく、悪化しやすい傾向があります。
症状 | 特徴 |
---|---|
発熱 | 急な高熱が出やすく、ぐったりすることも |
鼻水・鼻づまり | 長引きやすく、呼吸がしにくくなることで機嫌が悪くなることも |
咳・痰 | 咳き込むことで嘔吐することもあり、夜間に悪化することも |
のどの痛み | 食欲不振や泣き声の変化などから気づくことが多い |
元気がない | 熱や痛みのほか、体力の消耗からも現れる症状 |
市販薬で対応できるケースとは?
子どもの風邪すべてに市販薬が使えるわけではありません。次のような軽症の場合に限り、市販薬での対応が可能です。
- 熱が38.5℃未満で比較的元気
- 鼻水や軽い咳があるが、機嫌も良い
- 食欲があり、水分も取れている
- 症状が出て1〜2日以内
ただし、以下の場合は市販薬に頼らず、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 生後6か月未満の乳児
- 高熱(39℃以上)が続いている
- 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、ヒューヒュー)
- 水分が取れず、ぐったりしている
- 嘔吐やけいれんがある
症状別:市販薬の選び方(登録販売者の視点)
【発熱】アセトアミノフェン配合薬
- 特徴:比較的副作用が少なく、胃腸にもやさしい
- 対象:生後3か月以上〜使用可(製品により異なる)
- 商品例:こども用タイレノール、こどもパブロン坐薬など
👉 **熱が高くてつらそうなときだけ使うこと。**熱を下げる=治るではありません。
【鼻水・鼻づまり】抗ヒスタミン剤
- 成分例:クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミンなど
- 作用:くしゃみや鼻水を抑える。眠気が出ることも。
- 注意:乾燥による鼻水には効果が出にくいことも。
【咳・痰】鎮咳去痰薬
- 成分例:ジヒドロコデイン、L-カルボシステイン、グアイフェネシンなど
- 作用:咳を和らげ、痰を出しやすくする
- 注意:無理に止めるのではなく、咳を「楽にする」目的で使用
市販薬に頼りすぎない!家庭でできる風邪ケア
風邪の回復には薬だけでなく、家庭でのケアがとても重要です。
- 水分をしっかり補給(経口補水液や白湯)
- 湿度を保ち、加湿する(50〜60%が理想)
- 安静を保ち、しっかり休ませる
- 体温調節しやすい服装にする(薄着が基本)
- 食事は無理に食べさせない(消化によいものを)
使用時の注意点
- 対象年齢・用量を必ず確認
- 成分の重複に注意(併用NG)
- アレルギー歴のある成分は避ける
- 服用の間隔や回数を守る
登録販売者の立場から見ても、子どもの市販薬は「使い方」が何より重要です。
まとめ|不安なときは無理せず受診を
市販薬は、正しく使えば家庭でのケアをサポートする便利なツールです。
でも、「本当に使っても大丈夫?」と少しでも迷ったら、医師や薬剤師に相談するのが安心です。
親として、焦る気持ちもあると思います。でも、「症状に合った市販薬」を「正しく使う」ことが何より大切です。
今後も、登録販売者の立場から、子育て家庭に役立つ情報をお届けしていきます。
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