🩺 はじめに
咳止め薬や風邪薬には、コデイン(Codeine)をはじめとする「中枢作用を持つ鎮咳成分」が配合されているものがあります。
これらは効果が高い反面、依存性・乱用・副作用のリスクがあるため、販売時に登録販売者による説明と販売管理が求められます。
この記事では、コデインを中心に、乱用防止対象成分の特徴と販売時の注意点を解説します。
💬 コデインとは?
コデイン(Codeine)は麻薬性鎮咳成分の一つで、
延髄の咳中枢を抑制し、咳をしっかりと鎮めます。
| 成分名 | 主な作用 |
|---|---|
| リン酸コデインリン酸塩水和物 | 鎮咳作用(せきを鎮める) |
| ジヒドロコデインリン酸塩 | 鎮咳・鎮痛作用 |
💬 コデインを含む主な市販薬の例
- 新ブロン液エース(エスエス製薬)
- アネトンせき止め(小林製薬)
- ベンザブロックせき止め錠(武田薬品)
- ストナメディコ(佐藤製薬)
※いずれも「指定第2類医薬品」に分類されます。
💬 なぜ販売時に説明が義務付けられているの?
コデインは中枢神経に作用し、眠気・便秘・呼吸抑制・依存性を起こすことがあります。
また、過去には咳止め薬の多量摂取による乱用・意識障害・死亡例も報告されています。
このため、厚生労働省は「販売時に情報提供を義務付ける医薬品」として指定しています。
💬 登録販売者が行うべき説明内容
販売時に必ず伝えるべきポイント👇
1️⃣ 眠気に注意:服用後の運転・機械操作を避ける
2️⃣ アルコール併用禁止:中枢抑制が強まる
3️⃣ 長期連用禁止:依存・耐性リスク
4️⃣ 12歳未満服用禁止(2017年厚労省通知)
5️⃣ 重複成分注意:他薬にもコデイン・鎮咳成分を含む場合あり
💬 コデイン以外にも注意すべき“乱用リスク成分”
登録販売者が販売時に特に注意すべき代表的な成分👇
| 成分名 | 主な作用 | 含まれる市販薬例 | 注意点・乱用リスク |
|---|---|---|---|
| デキストロメトルファン | 鎮咳(非麻薬性) | 新ブロン液L、パブロンSせき止め、コンタックWなど | 多量摂取で幻覚・錯乱・離人感などの中枢症状。SNS起因の乱用例あり。 |
| ブロモバレリル尿素 | 鎮静・催眠 | ナイトール、新コルゲン咳止め錠、アスゲンかぜ薬など | 過量・長期使用で依存・呼吸抑制のリスク。 |
| ブロムワレリル尿素 | 鎮静・催眠(旧来) | 旧製品のみ(現在ほぼ廃止) | 中毒死報告多数、現在は配合ほぼゼロ。 |
| エフェドリン | 気管支拡張 | パブロンSゴールドW、ベンザブロックLなど | 覚醒・興奮作用。乱用事例あり。 |
| プソイドエフェドリン | 鼻炎改善 | パブロン鼻炎カプセルS、ナザールαARなど | 覚醒作用。海外では規制強化。 |
| ジフェンヒドラミン | 抗ヒスタミン・鎮静 | ドリエル、レスタミンコーワ | 幻覚・錯乱など。過量服用で中枢抑制。 |
| メチルエフェドリン | 鎮咳・気管支拡張 | ベンザブロックせき止め液など | 興奮・不眠・心悸亢進。 |
💡補足
デキストロメトルファンは非麻薬性ですが、多量摂取により幻覚やトリップ状態を引き起こすため、近年ではコデインと並び「乱用防止対象成分」とされています。
🧒 子ども用シロップにも含まれる成分と注意点
「子ども用」だからといって安全とは限りません。
一部の小児用かぜ薬や咳止めシロップにも、中枢作用成分が配合されています。
| 成分名 | 主な作用 | 子ども用製品例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 | 鎮咳(非麻薬性) | パブロンキッズかぜシロップ(60 mL中16 mg)/新ブロン液L小児用 | 3歳未満使用禁止、6歳未満は要注意。服用超過に注意。 |
| メチルエフェドリン塩酸塩 | 鎮咳・気管支拡張 | パブロンキッズシロップなど | 興奮作用や不眠。短期間使用が原則。 |
| (旧)リン酸コデインリン酸塩水和物 | 麻薬性鎮咳 | 旧製品(2017年以降除外) | 12歳未満使用禁止。現在は小児用製品に配合なし。 |
🔍参考例:
💬 登録販売者が販売時に確認すべきポイント
1️⃣ 年齢・症状・目的を必ず確認する。
2️⃣ 添付文書の「対象年齢」「成分量」を確認。
3️⃣ 「子ども用」でも眠気・副作用・過量服用リスクがあると説明。
4️⃣ 保護者に「用法・用量を守ること」「症状が長引いたら受診」を明確に伝える。
5️⃣ 同一家庭で短期間に繰り返し購入がないか確認。
💬 登録販売者の心得
登録販売者は“売る人”ではなく、“守る人”。
成分を正しく伝えることが、子どもと家庭を守る第一歩です。
💬 くすりちゃんとしずくちゃんの会話パート
くすりちゃん:「子ども用シロップにもデキストロメトルファンが入ってるの?」
しずくちゃん:「うん。でも3歳未満は使っちゃダメなんだ。眠気や呼吸抑制のリスクがあるからね。」
くすりちゃん:「“子ども用”って聞くと安心しがちだけど、やっぱり成分確認が大事だね!」
しずくちゃん:「そう。登録販売者は“説明”で安心を届ける仕事なんだよ。」
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