ドラッグストアで市販薬を買うとき、
「お薬の説明は必要ですか?」と聞かれたことはありませんか?
一見、形式的な質問に思えるかもしれませんが、
実はこれ——薬機法(医薬品医療機器等法)に基づいた大切な確認なんです。
今回は、登録販売者の視点から、
その「理由」と「販売時に確認される項目」についてわかりやすく解説します。
🏥 お薬の説明が聞かれる理由
理由①:医薬品のリスク分類による販売ルールの違い
市販薬(一般用医薬品)は、リスクの高さによって3つに分類されています👇
| 分類 | リスク | 説明の義務 | 主な販売者 | 代表的な薬 |
|---|---|---|---|---|
| 第1類医薬品 | 高い | 必須 | 薬剤師のみ | ガスター10、ロキソニンSプレミアムなど |
| 第2類医薬品 | 中程度 | 努力義務(希望者に説明) | 登録販売者 | パブロン、イブA錠など |
| 第3類医薬品 | 低い | 不要 | 登録販売者 | ビタミン剤、整腸薬など |
👉 このため、店頭で「説明は必要ですか?」と確認するのは、
“購入者の意思で説明を希望できる”ルールを守るためなんです。
理由②:購入者の安全を守るため
市販薬は自己判断で購入できる便利さがある一方、
持病や体質、併用薬によっては副作用が出る場合もあります。
特に説明が重要なケース👇
- 高血圧・糖尿病・肝臓・腎臓疾患などの持病がある
- 妊娠中・授乳中
- 子どもや高齢者への使用
- 他の薬をすでに服用している
登録販売者や薬剤師が説明することで、
重複成分や副作用のリスクを防ぐことができます。
理由③:法令で定められた販売体制を守るため
薬機法では、店舗での医薬品販売時に以下のような体制が義務付けられています。
- 販売者(薬剤師・登録販売者)の氏名掲示
- 使用上の注意の説明
- 必要に応じた販売記録の保存
- 相談体制の明示(不在時の対応など)
つまり、「説明は必要ですか?」という質問は、
法令を順守しながら安全販売を行っている証拠なんです。
💬 販売時に確認されることがある薬もあります
「説明の有無」以外に、販売時に確認質問をされる場合もあります。
それは、薬の中に「リスクが比較的高い成分」や「乱用防止の対象成分」が含まれているからです。
🔸① 指定第2類医薬品(副作用リスクがやや高い)
例:ロキソニンS、ストナリニZ、パブロンゴールドA など
登録販売者は以下を確認する場合があります👇
- 現在の症状や使用目的
- 服用中の薬の有無
- 持病(高血圧・肝臓・腎臓疾患など)
- 最近同じ薬を購入していないか
👉 「最近もこの薬を買いましたか?」と聞かれるのは、
重複購入や副作用防止のためです。
🔸② 濫用等のおそれのある医薬品
例:ブロン液W、エフェドリン配合の総合感冒薬、パブロンメディカルCなど
これらは依存性・乱用の恐れがあるため、
- 年齢確認
- 購入目的の確認
- 購入履歴の記録
などが求められます。
※薬機法第36条、省令第10条に基づく安全確保措置です。
🔸③ 妊娠中・授乳中・小児・高齢者への使用確認
特定の成分(NSAIDsや抗ヒスタミンなど)は、
体質や年齢によって副作用のリスクが高まるため、
登録販売者が使用可否を判断・助言する場合があります。
💊 登録販売者の役割とは?
登録販売者や薬剤師は、「薬を売る人」ではなく、
安全に薬を使えるようサポートする専門職です。
購入時に質問を受けるのは、
「不安を与えるため」ではなく「安全を守るため」。
それが私たちの一番の使命です。
💬くすりちゃんとしずくちゃんの会話パート
くすりちゃん:「なんで薬を買うときに“説明は必要ですか?”って聞かれるの?」
しずくちゃん:「それはね、薬の種類によって“説明義務”があるからなんだよ!」
くすりちゃん:「なるほど〜!あの質問って大事なんだね!」
しずくちゃん:「うん、それに“最近もこの薬買いましたか?”って聞くのも、体に負担がかからないように確認してるの。」
くすりちゃん:「なるほど、ちゃんと理由があるんだ!次からは相談してみようっと♪」
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