💬 はじめに
腎臓病がある方から「市販薬を飲んでも大丈夫?」という相談はとても多いです。
腎臓は、体の老廃物や薬の成分をろ過して排出する臓器。
そのため、腎臓の働きが弱っているときに薬を誤って選ぶと、成分が体内に残って副作用を起こすことがあります。
この記事では、登録販売者の視点から
👉 腎臓に負担をかける市販薬の成分
👉 安全に選ぶポイント
をやさしく解説します。
⚠️ 腎臓に負担をかけやすい成分一覧
| 成分 | 含まれる薬 | 注意点 |
|---|---|---|
| イブプロフェン/ロキソプロフェン | 解熱鎮痛薬・総合感冒薬 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は腎臓の血流を減らし、機能を悪化させる可能性あり |
| ナプロキセン/ジクロフェナク | 鎮痛薬 | 同様に腎血流を抑制。腎不全・慢性腎炎の方は避ける |
| アセトアミノフェン | 解熱鎮痛薬 | 比較的安全だが、長期服用や高用量は医師相談が必要 |
| カフェイン | ドリンク剤・鎮痛薬 | 利尿作用により脱水を起こし、腎臓に負担がかかる可能性 |
| ナトリウム化合物 | 胃腸薬・発泡剤 | 塩分負荷で腎機能が悪化するおそれ |
💡「発泡錠」「シュワっとする薬」はナトリウムを含む場合があります。成分表をチェック!
💊 痛み止め・風邪薬の選び方
- アセトアミノフェン配合薬を選ぶ(例:タイレノールAなど)
- イブプロフェンやロキソプロフェン配合のものは避ける
- **総合感冒薬(風邪薬)**にはNSAIDsが含まれていることが多いので注意
- 鼻炎スプレータイプは局所作用のため、比較的安全
腎臓病の方は「解熱鎮痛成分」をよく確認し、アセトアミノフェン単剤がおすすめです。
🍽 胃腸薬・整腸剤の選び方
腎臓病の方が胃薬を選ぶ際は、ナトリウム・アルミニウム・マグネシウムを多く含む制酸剤に注意。
長期間使用すると、電解質バランスが崩れることがあります。
- 安全性が高いのは「健胃薬(生薬系)」や「整腸剤(乳酸菌・ビフィズス菌)」
- アルミニウム系制酸剤(スクラルファートなど)は医師相談が必要
☕ ドリンク剤・サプリに注意
「疲れたからドリンク剤を飲もう」と思っても、
多くの滋養強壮剤にはカフェイン・ナトリウム・糖分が含まれています。
✅ 選ぶなら「ノンカフェイン」「ノンナトリウム」「糖質オフ」のタイプを。
栄養ドリンクを常用するより、水分と休養をしっかり取ることが腎臓保護につながります。
🩺 登録販売者からのアドバイス
腎臓病の方が薬を選ぶときは、
「成分の排泄に腎臓が関係していないか」を意識しましょう。
また、処方薬と市販薬を併用するときは特に注意が必要です。
降圧薬・利尿薬などと併用すると、薬の濃度が上がって副作用を起こすこともあります。
迷ったら「アセトアミノフェン単剤」「生薬系」「整腸剤」など、体に優しいものを選びましょう。
👩⚕️ くすりちゃんとしずくちゃんの会話パート
くすりちゃん:
「腎臓って、薬の“出口”なんですね!がんばり屋さんだ〜!」
しずくちゃん:
「そうなの。だから腎臓が疲れてるときに強い薬を飲むと、出せなくなっちゃうのよ。」
くすりちゃん:
「えぇっ!そんなこともあるんだ…!じゃあアセトアミノフェンが安心なんですね!」
しずくちゃん:
「うん。NSAIDsは腎臓の血流を減らすから、使うときは本当に注意が必要だよ。」
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