はじめに
子どもが体調を崩したとき、「病院に連れて行くべき?」「とりあえず市販薬で様子を見てもいいのかな?」と悩む場面は少なくありません。
私自身も子育てをしながら、何度も迷った経験があります。
登録販売者として市販薬の知識を持ちながらも、やはり「受診のタイミング」は慎重になるテーマです。この記事では、子どもの症状別に「市販薬で様子を見る目安」「病院に行ったほうがいいサイン」をわかりやすく解説します。
あくまで参考の目安として、最終的な判断は医療機関と相談してくださいね。
1. 発熱の場合
市販薬で様子を見ても良いケース
- 発熱が38度台前半
- 食欲があり、水分も取れている
- 元気もあり、機嫌もそこまで悪くない
- 解熱剤(アセトアミノフェン)を使用して落ち着く
病院受診が必要なケース
- 生後3ヶ月未満の発熱(即受診が基本)
- 39度以上の高熱が続く(特に48時間以上)
- 水分が取れない、ぐったりしている
- けいれんを起こした
- 発疹を伴う発熱
ワンポイント
市販薬では アセトアミノフェン(例:小児用バファリン、タイレノール) が小児で安全性が高いとされています。
ただし、解熱剤は「熱を下げる薬」ではなく「つらさを和らげる薬」です。
発熱は体がウイルスと戦っている証拠でもあります。むやみに下げすぎず、子どもの様子を観察しましょう。
2. 咳・鼻水の場合
市販薬で様子を見ても良いケース
- 軽い咳や鼻水のみ
- 食欲・睡眠・元気が保たれている
- 鼻水吸引や加湿などで軽減できる
病院受診が必要なケース
- 呼吸が苦しそう、息がゼイゼイ・ヒューヒュー鳴る
- 咳込みが激しく、眠れない・嘔吐してしまう
- 鼻水が黄色〜緑色に変化して長引く
- 中耳炎や副鼻腔炎を疑う症状が出る
ワンポイント
市販薬の咳止めや鼻炎薬は、基本的に2歳未満は使用を控えるべきとされています。
使用前に必ず年齢・体重・成分を確認し、登録販売者や薬剤師に相談しましょう。
3. 嘔吐・下痢の場合
市販薬で様子を見ても良いケース
- 1〜2回の軽い嘔吐や下痢
- 水分補給ができている
- 元気がある
病院受診が必要なケース
- 繰り返し吐く、下痢が長く続く(2日以上)
- 水分が取れず脱水の疑いがある
- 血便が出る
- お腹の痛みが強い、顔色が悪い
ワンポイント
脱水予防が最優先です。経口補水液(OS-1など) は常備しておくと安心です。
市販の整腸剤(ビオフェルミンなど)も一時的に利用できますが、症状が重い場合は早めの受診を。
4. 子どもの市販薬使用で大切なポイント
- 年齢・体重を守る(用法用量を厳守)
- 自己判断で長期間使わない
- 複数の市販薬を併用しない
- 必ず医療機関と相談する心構え
まとめ
市販薬は子どもの体調不良の初期対応として役立つ場面もありますが、自己判断には限界があります。
特に小さな子どもは症状の悪化が早いこともあるため、**「いつでも受診する準備」**をしておくことが大切です。
登録販売者として、親として、皆さんの判断材料の一つになれば幸いです。
無理せず、必要なときは迷わず受診しましょう!
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