はじめに|「薬の組み合わせ」、意外と見落としていませんか?
薬を使うとき、**「一緒に飲んでいいのか?」**と迷ったことはありませんか?
例えば…
・風邪薬と頭痛薬、同時に飲んでも大丈夫?
・サプリや健康食品と一緒に飲んで問題ない?
・処方薬と市販薬の組み合わせって危険?
こうした疑問は、実はとても大切なポイントです。
飲み合わせによっては、薬の効果が弱まったり、副作用が強く出たりすることも。
この記事では、登録販売者の視点から、市販薬と他の薬・サプリとのNGな飲み合わせ例を具体的に紹介しながら、その理由と対処法をわかりやすく解説します。
なぜ「飲み合わせ」が重要なの?
薬は、それぞれ「成分」が身体に働きかけて効果を出します。
ところが、似たような成分を複数取ると“過剰”になることもあれば、互いの作用を打ち消してしまうこともあります。
また、体内での「吸収のされ方」や「代謝のスピード」に影響を与える場合もあるため、飲み合わせはとても重要です。
よくある!薬の飲み合わせNG例【市販薬+〇〇】
① 総合感冒薬+頭痛薬(鎮痛剤)
例:ルル+イブ/バファリン など
- ❌ 理由:どちらにも「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」などの解熱鎮痛成分が含まれ、過剰摂取になるおそれ
- ✅ 対処:頭痛だけがつらい場合は「総合感冒薬」を一度休んで、単独の鎮痛薬を使うなどの調整が必要
② 風邪薬+鼻炎薬(抗ヒスタミン系)
例:風邪薬+アレグラ/クラリチン など
- ❌ 理由:どちらにも「抗ヒスタミン成分」が含まれており、眠気・口の渇き・だるさなどが強く出ることがある
- ✅ 対処:「抗ヒスタミン成分」が重複しないように、成分表示をよく確認する
③ 市販の胃薬+処方薬の抗生物質
- ❌ 理由:胃薬の中には「アルミニウム」などの金属成分が含まれ、抗生物質の吸収を邪魔してしまうことがある
- ✅ 対処:服用のタイミングをずらす(1〜2時間空ける)か、医師や薬剤師に相談する
④ サプリメント(ビタミン・鉄・カルシウムなど)+医薬品
- ❌ 理由:
・鉄+テトラサイクリン系抗生物質 → 吸収阻害
・カルシウム+一部の降圧薬 → 効果を妨げる可能性
・ビタミンEや魚油+抗血栓薬 → 出血リスク増加 - ✅ 対処:サプリも「薬の一種」として扱うべき。飲み合わせチェックが必要。
⑤ 漢方薬+市販薬
例:葛根湯+風邪薬 など
- ❌ 理由:似た効果・似た生薬が重なることで、副作用のリスクが増える
- ✅ 対処:漢方薬を使用する場合は、「成分がかぶっていないか?」をチェック(登録販売者に相談を)
飲み合わせを避けるための3つのコツ
① 成分名を「商品名」ではなく「内容成分」で見るクセをつける
→ 商品名が違っても、同じ「イブプロフェン」などが含まれているケースは多いです。
パッケージ裏の成分表示を見る習慣をつけましょう。
② サプリ・漢方・健康食品も「飲み合わせ」の対象だと認識する
→ 市販薬だけでなく、身近なサプリや栄養ドリンクも組み合わせに影響します。
③ わからないときは登録販売者に相談する
→ 店頭で相談すれば、「この薬は重なっていますよ」と教えてもらえます。
症状の目的に合った薬の「組み合わせ提案」もしてもらえるので安心です。
よくある質問(Q&A)
Q:飲み合わせが心配なときは、どこで相談すればいい?
→ A:薬局の登録販売者、または薬剤師に相談しましょう。
ドラッグストアでも「白衣を着たスタッフ」がいれば、気軽に聞いてOKです!
Q:飲み合わせに気をつけるのは、高齢者や妊婦だけですか?
→ A:いいえ、すべての人が対象です。特に小さなお子さんや複数の薬を服用している人は要注意。
まとめ|飲み合わせの知識は、安全なセルフケアの第一歩
- 市販薬でも飲み合わせによるトラブルは起こる
- 成分の重複・吸収阻害・副作用リスクを防ぐには「成分チェック」がカギ
- 不安があれば、必ず登録販売者に相談しよう!
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