市販薬を飲んだあと、あなたはどんなふうに過ごしていますか?
「とりあえず薬を飲んだから安心」と思って、
いつも通りの生活をしているつもりでも、
実は「やってはいけない行動」が原因で
効き目が弱くなったり、副作用が出やすくなっていることがあります。
この記事では登録販売者の視点から、
市販薬を飲んだあとに避けたい行動と、代わりにどう過ごせばいいかをわかりやすく解説します。
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この記事の前提について
・ここで紹介する内容は、一般的な市販薬(風邪薬、解熱鎮痛薬、胃薬、鼻炎薬など)を想定しています。
・持病がある方、妊娠・授乳中の方、病院の薬を服用中の方は、必ず医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。
・少しでも「いつもと違う」症状が出たら、自己判断で様子を見ず、医療機関の受診をおすすめします。
市販薬を飲んだあとにやってはいけない行動10選
1. 眠くなる成分入りの薬を飲んだあとに車の運転をする
風邪薬や鼻炎薬の多くには、眠気を起こしやすい抗ヒスタミン成分が含まれています。
「自分は大丈夫」と思っていても、判断力・集中力は確実に落ちています。
・車の運転
・自転車の運転
・高所での作業や危険を伴う機械操作
などは、眠気が出る可能性のある薬を飲んだあとは避けましょう。
2. アルコール(お酒)を飲む
市販薬とアルコールは基本的に相性がよくありません。
・眠気がさらに強くなる
・肝臓への負担が増える
・胃の粘膜が荒れやすくなる
特に、解熱鎮痛薬・睡眠改善薬・鎮咳薬などとアルコールの組み合わせは要注意です。
3. カフェインを多く含む飲み物・エナジードリンクをがぶ飲みする
風邪薬や頭痛薬の中には、眠気を抑えたり効き目を補強するためにカフェインが入っているものがあります。
そこにさらに、
・コーヒー
・エナジードリンク
・カフェイン多めの清涼飲料
を重ねると、動悸・不眠・手の震えなどが出やすくなることがあります。
4. すぐに別の市販薬を追加で飲む(成分の重複)
「効きが弱いかも…」と感じたからといって、
すぐに別の市販薬を足してしまうのは危険です。
・解熱鎮痛薬+別の解熱鎮痛薬
・風邪薬+鼻炎薬(どちらにも抗ヒスタミン入り)
・胃薬+胃薬(同じタイプの成分が重複)
など、同じ成分を二重に飲んでしまう パターンは特に注意しましょう。
▼「効かないから足したくなる…」と感じる方は、こちらも参考にしてください。
➡ 市販薬が効かないと感じる理由と対処法
(URLを差し替え)
5. 勝手に用量・回数を増やす
「早く治したいから」と、1回に飲む量や1日の回数を自己判断で増やすのもNGです。
・効き目が2倍になるわけではない
・副作用のリスクだけが高くなる
箱や添付文書に書かれている「1回量」「1日◯回」は、安全性を考えたうえで決められています。
必ず守りましょう。
6. 熱があるのに激しい運動やサウナにはいる
解熱鎮痛薬を飲んで一時的に熱が下がっても、体はまだ回復途中です。
・激しい運動
・長時間の入浴やサウナ
・汗をかきすぎる環境での作業
などは、体力を余計に消耗させてしまうことがあります。
一時的に楽になっても、しっかり休息をとることが大切です。
7. すぐに仕事・勉強にフルパワーで戻ろうとする
薬で症状を「ごまかして」無理をすると、治りが遅くなる原因になります。
・解熱鎮痛薬で頭痛を抑えながら徹夜作業
・風邪薬で症状を抑えつつ長時間勤務
などは、体にとってはかなりの負担です。
可能であれば仕事量や勉強量を少しセーブして、回復にエネルギーを使ってあげましょう。
8. 指示された回数を守らず、バラバラなタイミングで飲む
「1日3回」と書いてあるのに、
・思い出したタイミングでバラバラに飲む
・寝る前にまとめて飲む
といった飲み方をすると、薬の濃さが大きく上下し、
効き目を感じにくくなったり、逆に副作用が出やすくなることがあります。
1日◯回の指示は、体の中で薬をちょうどいい濃さに保つためのリズムです。
なるべく間隔をそろえるように意識してみてください。
▼飲み方・タイミングについて詳しく知りたい方はこちら
➡ 市販薬の効き目を最大にする飲み方・タイミングまとめ
(URLを差し替え)
9. 強い眠気や違和感が出ているのに「気のせい」で片づける
市販薬を飲んだあとに、
・急に強い眠気やめまいが出る
・動悸がする、息苦しい
・じんましんやかゆみが出る
といった症状があれば、「気のせい」で済ませずに注意してください。
薬による副作用の可能性もあるため、服用を中止し、症状によっては早めの受診を検討しましょう。
10. ずっと同じ症状に同じ市販薬を飲み続ける
市販薬はあくまで「一時的なセルフケア」が基本です。
・何週間も同じ痛み止めを飲み続ける
・毎日のように胃薬を飲まないとつらい
・同じ鼻炎薬がないと日常生活が送れない
といった状態が続く場合は、市販薬では対応しきれない病気が隠れている可能性もあります。
一定期間続けて飲んでも改善しないときは、医療機関を受診しましょう。
まとめ:薬を飲んだあとの過ごし方も「セルフケア」の一部
市販薬は、正しく使えば心強い味方です。
一方で、飲んだあとの過ごし方を間違えると、
・効き目が弱く感じてしまう
・副作用が出やすくなる
といった、もったいない状況になってしまいます。
今回ご紹介した「やってはいけない行動」を避けながら、
無理をせず、体を休ませる時間もセットで確保してあげてくださいね。
会話パート(くすりちゃん&しずくちゃん)
くすりちゃん
「“薬飲んだからもう大丈夫!”って、つい頑張りすぎちゃう人、本当に多いんだよね〜。」
しずくちゃん
「うん。薬はあくまで“治るのをサポートする道具”であって、無理してフルパワーで動くためのものじゃないんだよね。」
くすりちゃん
「たしかに…。特にお酒とか運転とかは、“ちょっとくらい平気でしょ”って思われがちだけど、実はけっこう危ないよね。」
しずくちゃん
「そうそう。薬を飲んだ“あと”の過ごし方まで含めてセルフケア。迷ったときは、気軽に相談してほしいな。」
くすりちゃん
「うん!一緒に“無理しない使い方”を考えていこう〜!」
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