「市販薬、どれを選べばいいか分からない」
「お店で相談したいけど、何をどう聞けばいいのかちょっと不安…」
ドラッグストアには登録販売者や薬剤師がいますが、
「忙しそうで声をかけづらい」「うまく症状を説明できる自信がない」
と感じている方も多いと思います。
この記事では登録販売者の立場から、
・相談前にチェックしておきたいポイント
・実際に使える“質問テンプレ”
・避けたほうがいい伝え方・よくあるつまずき
を、やさしくまとめました。
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どうして「相談」したほうがいいの?
市販薬は、処方せんがなくても買える便利な存在ですが、
・体質や持病
・今飲んでいる薬との飲み合わせ
・年齢や生活スタイル
によって、「合う薬」「避けたほうがいい薬」が変わることがあります。
表示だけでは判断しづらいポイントも多いので、
・自分に合った薬を選ぶ
・不要な副作用のリスクを減らす
・受診に切り替えるタイミングを相談する
という意味でも、店頭での相談はとても大切です。
相談の前にチェックしておきたいこと
いきなり売り場で考えるより、
次の3つだけ事前に整理しておくとスムーズです。
① 今の症状について
・どこが、どんなふうにつらいのか
・いつ頃から続いているか
・きっかけになりそうな出来事(冷えた・食べすぎた・花粉の季節など)
例)
「一昨日から、のどの痛みと微熱が続いています」
「いつもの偏頭痛っぽいのですが、今日は少し吐き気もあります」
② 持病・妊娠授乳・アレルギーの有無
・高血圧・心臓病・糖尿病・腎臓病などの持病
・妊娠中・授乳中かどうか
・薬や食べ物でアレルギーが出たことがあるか
安全に薬を選ぶうえで、かなり重要な情報です。
③ 今、飲んでいる薬・サプリ
・病院でもらっている薬(可能ならお薬手帳ごと持参)
・他の市販薬や漢方薬
・一部のサプリメント(特に血液をサラサラにするものなど)
「名前がうろ覚え…」というときは、
写真を撮って見せてもらえるととても助かります。
実際に使える「相談の切り出し方」
声をかけるときは、シンプルでOKです。
- 「お薬の相談をしてもいいですか?」
- 「市販薬で様子を見たいのですが、選び方を教えてください」
- 「病院に行くほどか迷っていて…話を聞いてもらえますか?」
この一言さえ言えれば、あとはスタッフ側から質問していきます。
症状別・質問テンプレ集
ここからは、実際の売り場でもよく使ってもらっている“質問テンプレ”です。
そのまま、もしくは少し変えて使ってみてください。
1. 頭痛・生理痛のとき
・「偏頭痛持ちなのですが、市販薬でどこまで様子を見ていいか教えてください」
・「いつもの生理痛に近いと思うのですが、眠くなりにくい痛み止めはありますか?」
・「胃に負担の少ないタイプと、しっかり効くタイプの違いを知りたいです」
2. かぜ・のど・鼻の症状のとき
・「のどの痛みがメインで、鼻水やせきはほとんどありません。どんな薬が合いますか?」
・「熱よりも鼻づまりがつらいです。眠気が少なめの薬はありますか?」
・「今、病院の薬も飲んでいるのですが、市販薬と一緒に飲めるものはありますか?」
3. 胃腸トラブル(胃もたれ・下痢・便秘など)
・「食べすぎで胃もたれしている感じですが、胃酸が多いのか少ないのか分かりません」
・「冷えからくる下痢だと思うのですが、止めていいタイプかどうか相談したいです」
・「便秘薬はクセにならないか心配です。やさしめのものはありますか?」
4. 子ども・高齢者・妊娠授乳中など
・「〇歳の子どもなのですが、この症状に合う子ども用の薬はありますか?」
・「高齢の家族に飲ませたいのですが、ふらつきや眠気が出にくい薬はありますか?」
・「妊娠中(授乳中)ですが、この症状に使える薬があるか教えてください」
避けたほうがいい伝え方・よくあるつまずき
相談を受けていて「もったいないな」と感じる例もご紹介します。
① 「おすすめの薬をください」だけで終わってしまう
スタッフ側も、症状や持病が分からないと安全に選べません。
なるべく、
・いつから
・どこが
・どのくらい
の3点だけでも一緒に伝えてもらえると、薬の候補が絞りやすくなります。
② 「とにかく一番強い薬をください」
一番強い=一番良い、とは限りません。
・体への負担が大きくなる
・他の薬と組み合わせにくくなる
・症状の原因を隠してしまう
こともあるので、「自分にとってちょうど良い強さ」を一緒に考えていきましょう。
③ 飲んでいる薬を「なんとなく内緒」にしてしまう
「関係なさそう」「恥ずかしい」と思ってしまうかもしれませんが、
実は飲み合わせのチェックに重要な情報なことも多いです。
可能な範囲で構わないので、
・病院の薬
・他の市販薬
・飲み始めた時期
を教えてもらえると安心です。
相談のあとに心がけたいこと
相談して薬を選んだあとは、
・用法・用量・飲むタイミングを守る
・どのくらいで様子を見て、良くならなければ受診するのか決めておく
・気になる変化があれば、遠慮なく再度相談する
といったことも大切です。
セルフメディケーションは
「自分で全部判断すること」ではなく、
「自分の健康を自分ごととして考えつつ、
必要なところは専門家の力も借りる」
というイメージでいてもらえればOKだと思います。
くすりちゃん&しずくちゃんの相談トーク
くすりちゃん
「“相談したいんですけど、何を話せばいいか分かりません…”って言われること、けっこう多いんだよね〜。」
しずくちゃん
「うん。“いつから・どこが・どのくらい”の3つだけでも教えてもらえれば、こちらから質問を広げていけるんだけどね。」
くすりちゃん
「たしかに!『おすすめください』だけだと、お互いに探り探りになっちゃうもんね〜。」
しずくちゃん
「だから、今日の記事みたいな“質問テンプレ”を頭の片隅に入れておいてもらえると、相談がぐっと楽になると思う。」
くすりちゃん
「みんなが気軽に声をかけてくれると、私たちもすごく嬉しいよね!『ちょっと聞いていいですか?』のひと言からで大丈夫だから、いつでも待ってま〜す♪」
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