市販薬を買ったとき、箱や添付文書(説明書)って、どれくらい読んでいますか?
「なんとなく効きそうだから」「前にも飲んだことがあるから」
と、あまり表示を見ずに飲んでいる人も少なくありません。
でも、市販薬の箱やラベル、添付文書には、
「その薬を安全に使うための大事な情報」がぎゅっと詰まっています。
この記事では登録販売者の視点から、
・なぜ市販薬の表示を読むことが大事なのか
・箱やラベルでどこをチェックすればいいのか
・添付文書の“ここだけは見てほしい”ポイント
をわかりやすく解説します。
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なぜ市販薬の表示をちゃんと読むべきなのか
表示を読むのが大事な理由は、ざっくり言うとこの3つです。
・「飲んではいけない人」がわかる
・「一緒に飲むと危ない薬」がわかる
・「どんな症状が出たら中止・受診か」がわかる
つまり、表示を読むことで、
・効き目をしっかり出す
・副作用をできるだけ減らす
・トラブルになりそうな前ぶれに早く気づく
ことができます。
逆に、表示を読まないままだと、
・持病があるのに、避けるべき成分が入った薬を選んでしまう
・すでに飲んでいる薬と成分が重なり、副作用リスクが上がる
・異変が出ても「そのまま様子を見てしまう」
といった危険もあります。
「とりあえず買ってすぐ飲む」前に、
一度だけでいいので、箱と添付文書をサッと確認する習慣をつけておくと安心です。
箱の表面でチェックしたいポイント
まずはお店で手に取ったときに見える「箱の表側」から。
・どんな症状に使う薬か(頭痛、のど、鼻、胃など)
・剤形(錠剤、カプセル、顆粒、シロップなど)
・「第1類・第2類・指定第2類・第3類」の表示
・セルフメディケーション税制のマークがあるかどうか
とくに大事なのは、「その薬がどんな症状向けなのか」がひと目でわかるかどうかです。
「なんとなく総合っぽいから」「名前が効きそうだから」
ではなく、
・今つらい症状に合っている薬かどうか
・本当にこの薬でカバーしたい症状が入っているかどうか
を確認しましょう。
裏面・側面でチェックしたいポイント(成分・量)
箱をくるっと回すと、次のような情報が載っています。
・有効成分の名前と、1回量あたりの量
・1日の最大服用回数
・何歳から飲める薬か(年齢区分)
ここでチェックしたいのは、
・すでに飲んでいる薬と「成分」が重なっていないか
・自分の年齢・家族の年齢で飲める薬かどうか
・1日に何回まで飲めるのか
です。
「商品名」だけでなく、「成分名」まで見ておくと、
・解熱鎮痛薬を二重に飲んでしまう
・抗ヒスタミン成分が重なって、眠気が強く出てしまう
といった重複を避けやすくなります。
「使用上の注意」で必ず見てほしい項目
箱や添付文書の中でも、特に重要なのが「使用上の注意」の項目です。
よくある項目はこんな感じです。
・してはいけないこと
・相談すること
・服用に注意が必要な人
・服用中に現れたとき注意したい症状
ここに書かれているのは、簡単に言うと
・この薬が「合わない」可能性のある人
・この薬を使う前に、医師・薬剤師・登録販売者に相談してほしい人
・飲み続けてはいけないサイン
です。
特にチェックしてほしいのは、
・持病(高血圧、心臓病、糖尿病、甲状腺の病気など)がある場合
・他の薬を飲んでいる場合(病院の薬・市販薬どちらも)
・妊娠中・授乳中の場合
・子どもや高齢の家族に使う場合
に、自分が当てはまっていないかどうかです。
添付文書(説明書)の「ここだけは読んでほしい」部分
箱の中に入っている紙の説明書(添付文書)、
実際には「ほとんど読んでいない」という人も多いと思います。
全部を隅から隅まで読むのは大変なので、
- 最初に書いてある「この薬はこんな薬です」の部分
- 「してはいけないこと」「相談すること」
- 用法・用量(いつ・どれくらい飲むか)
- どんな症状が出たら中止して受診すべきか
この4つだけでも目を通しておくと、安全性はぐっと上がります。
「今の自分の状態に、本当にこの薬を使っていいのか?」
「どんな飲み方をすればいいのか?」
この2つを確認するために、添付文書を使ってもらえたら十分です。
忙しい人向け:「最低限ここだけ」チェック術
「子どもがぐずっていて、ゆっくり読んでいられない…」
「仕事帰りでヘトヘト、早く薬を飲んで休みたい…」
という場面もありますよね。
そんなときの「最低限ここだけ」のチェックポイントをまとめると、
・箱の表面:自分の症状に合っている薬か
・年齢・回数:自分(または家族)の年齢で飲めるか/1日何回までか
・使用上の注意:「してはいけない」「相談すること」に自分が当てはまらないか
の3つです。
余裕があるときに一度じっくり読んでおけば、
次からは要点だけサッと確認するだけでも安心感が変わります。
▼市販薬全般の「やってはいけない使い方」については、こちらの記事も参考にしてください。
➡ 市販薬でやってはいけない買い方・使い方10選
くすりちゃん&しずくちゃんの会話でおさらい
くすりちゃん
「“前にも飲んだことあるし、説明書はいいや〜”って人、けっこう多いんだよね…。気持ちはわかるんだけど…!」
しずくちゃん
「うん。でも、同じ商品名でもリニューアルで成分が変わっていることもあるし、体調や持病が変わっていることもあるからね。」
くすりちゃん
「たしかに!“前は平気だったから今回も大丈夫”とは限らないんだよね〜。」
しずくちゃん
「だからせめて、“症状に合っているか”“してはいけない人に当てはまらないか”だけでも、箱や添付文書で確認してほしいな。」
くすりちゃん
「表示を読むのって、一見めんどくさいけど、“安心して飲むためのひと手間”なんだよね。困ったときは、私たちに一緒に見せてもらえればOK〜!」
まとめ:表示を読むのは「めんどくさい」ではなく「自分を守る行動」
市販薬の箱やラベル、添付文書は、
・薬の効き目をしっかり引き出すため
・自分や家族を副作用から守るため
の「安全ガイド」のようなものです。
・症状に合った薬かどうか
・自分が飲んでも大丈夫な薬かどうか
・どんな飲み方をすればいいのか
表示を少しだけ意識して見るだけでも、
市販薬との付き合い方はグッと安全で、安心なものになっていきます。
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