💡 はじめに
ドラッグストアで必ず聞かれる質問がこちら:
「市販薬って、どれくらい飲み続けていいんですか?」
「何日飲んでも治らなかったら病院に行くべき?」
「子どもはどれくらい飲ませて大丈夫?」
市販薬はとても便利ですが、
“短期使用が前提” の薬がほとんどです。
飲み続けることで症状が悪化したり、
本来なら受診すべき病気を見逃すこともあります。
この記事では、登録販売者の立場から
市販薬ごとの適切な服用期間 と
注意すべき症状・持病との危険な組み合わせ をわかりやすく解説します。
🧭 第1章:市販薬の服用期間の基本ルール
✔ 原則:自己判断で飲み続けてよいのは 3〜7日以内
多くの市販薬は
「短期的に症状を緩和する」
ことを目的にしており、
長期の使用は前提にしていません。
⚠ なぜ 3〜7日以内なのか?
- 症状が長引く=市販薬で治らない病気の可能性
- 胃腸炎や喘息、細菌感染、肺炎など重症化リスク
- 市販薬の成分により 副作用が蓄積 することもある
特に 子どもは判断が難しく、短期間で受診判断 が必要です。
🩹 第2章:症状別|飲み続けていい期間の目安
服用期間の目安は 症状と成分で変わります。
以下は登録販売者として案内しやすい「標準的な目安」です。
◆ ① 解熱鎮痛薬(頭痛・発熱・喉の痛み)
▶ 目安:3日以内
- 3日飲んでも発熱が続く → 受診推奨
- 頭痛薬の乱用 → 薬物乱用頭痛になるリスク
- NSAIDsの長期使用 → 胃腸障害・腎障害を招くことも
◆ ② 風邪薬・総合感冒薬
▶ 目安:2〜5日以内
- 初期症状が改善 → 継続不要
- 長引く場合 → 細菌感染や副鼻腔炎の可能性
- 総合薬は 不要な成分の蓄積リスク もある
◆ ③ 咳止め
▶ 目安:5日以内
- 乾いた咳→鎮咳薬
- 痰がらみ→去痰薬
- 5日以上続く咳は 百日咳・喘息・副鼻腔炎後鼻漏 の可能性
子どもは 2〜3日様子をみて改善なければ受診。
◆ ④ 鼻炎薬(アレルギー性鼻炎)
▶ 抗ヒスタミン薬
- 症状がある間は継続可(長期OK)
▶ 血管収縮薬の点鼻
❗ 3日以内(最重要)
理由:
使い続けると
→ 粘膜が腫れ、逆に鼻が詰まる「薬剤性鼻炎」になるため
◆ ⑤ 胃薬(胃痛・胸焼け・胃もたれ)
▶ 目安:1週間程度
- 長引く胃痛 → 逆流性食道炎・胃潰瘍の可能性
- 抗コリン薬入り → 高齢者には注意
- 制酸剤は長期使用でも比較的安全
- PPI(市販のオメプラゾール等)は 2週間以上の連続使用NG
◆ ⑥ 下痢止め
▶ 2日以内
理由:
- 感染性下痢(ウイルス・細菌)が多い
- 下痢は体を守る反応なので 止めすぎると悪化
- 2日続く下痢は受診推奨
⚠ 第3章:持病がある人が「長く飲んではいけない市販薬」
市販薬は持病によって
服用期間がさらに短くなる 場合があります。
代表例をわかりやすく整理します👇
🔥 高血圧・心臓病
危険成分 → メチルエフェドリン・プソイドエフェドリン
長期使用 → 血圧上昇・動悸・不整脈のリスク
風邪薬に多いので要注意。
🫁 喘息
❌ 鎮咳薬の連用は危険
理由:痰が出なくなり、悪化することがある
→ 咳止めは 短期(2〜3日) まで。
👁 緑内障(特に閉塞隅角)
危険成分 → 抗ヒスタミン薬の連用
→ 鼻炎薬・総合感冒薬にも多い
🚹 前立腺肥大
危険成分 → 抗コリン作用のある抗ヒスタミン薬
→ 排尿困難を悪化させる可能性
→ 服用期間は短めにすべき
🩺 腎臓病
危険 → NSAIDs(解熱鎮痛薬)
→ 腎臓に負担がかかるため、連続使用は避ける
👶 第4章:子どもの服用期間はさらに短い
子どもの場合:
- 風邪薬 → 2〜3日以内
- 下痢止め → 原則使わない or 1日
- 咳止め → 2〜3日以内
- 熱が続く場合 → 早期受診推奨
特に 2歳未満 は市販薬そのものを避けるケースも多いです。
🗣 くすりちゃん&しずくちゃんの会話
くすりちゃん:「薬って、治るまで飲み続けてOKだと思ってたよ〜!」
しずくちゃん:「市販薬は短期使用が基本だよ。長すぎると逆効果のことも。」
くすりちゃん:「そうなんだ!じゃあどれくらいが目安なの?」
しずくちゃん:「症状によって違うけど、3〜7日以内が基本だね♪」
📝 まとめ
- 市販薬の基本は 3〜7日以内の短期使用
- 解熱鎮痛薬は3日、風邪薬は2〜5日、咳止めは5日以内
- 鼻炎薬の点鼻だけは「3日以内」が絶対
- 持病がある人は成分により服用期間がさらに短くなる
- 子どもは短期間 + 早期受診判断が重要
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