病院でもらった薬を飲んでいるとき、症状が続いたり新しい症状が出たりすると「市販薬も追加して飲んでいいのかな?」と迷うことがあります。 しかし、処方薬と市販薬の併用には注意が必要です。成分が重複したり作用が過剰になると、副作用が強く出る可能性があります。
この記事では、登録販売者の視点から併用できるケース・併用してはいけないケース・安全に確認する方法をわかりやすく解説します。
病院でもらった薬と市販薬は併用できる?結論
病院の薬と市販薬は併用できる場合もあれば、できない場合もあります。結論を左右するのは次の2つのポイントです。
- 成分が重複していないか
- 作用が過剰にならないか
特に注意したいのは「商品名」ではなく成分名を見ること。同じ成分を知らないうちに重ねてしまうケースが最も危険です。
併用してはいけないケースの例
以下の組み合わせは、市販薬を追加してしまうことで作用が過剰になることがあります。
| 組み合わせ | 注意点 |
|---|---|
| 解熱鎮痛薬 × 解熱鎮痛薬 | アセトアミノフェン・イブプロフェン・ロキソプロフェンなどの重複 |
| 胃薬 × 胃薬 | H2ブロッカー・制酸剤の作用が重なる |
| 風邪薬 × アレルギー薬 | 抗ヒスタミンの重複で眠気が強くなる |
| 咳止め × 去痰薬 | 作用が逆で効きにくくなる場合がある |
会話パート(例)
薬局の休憩スペース。風邪をひいたお客さんの対応を終えたくすりちゃんに、しずくちゃんが声をかける。
くすりちゃん:
「今日は“病院の薬あるけど市販薬も飲んでいい?”って相談が多かったよ〜。気持ちはすごくわかるんだけどね!」
しずくちゃん:
「うん。特に解熱鎮痛薬の重複は注意だよね。“バファリン+カロナール”とか“ロキソニン+イブ”みたいに、商品名が違っても成分は同じことあるし。」
くすりちゃん:
「そうそう!知らずに重ねちゃうと、熱は下がらなくても副作用ばっかり強く出たりしちゃうから…」
しずくちゃん:
「大切なのは“市販薬=なんでも足せばOK”ではなくて、“成分を見て重複させないこと”なんだよね。不安なら相談してほしいな。」
くすりちゃん:
「相談してもらえたら嬉しいし、併用できるパターンもちゃんと案内できるよ!“併用は絶対ダメ”じゃなくて、“安全を確認してから使う”が正解だよね。」
併用しても問題ない場合の例
以下の場合は併用できるケースが多いです。
- 成分が重複していない
- 対象症状が異なる
- 医師・薬剤師から併用を許可されている
例:抗生剤(細菌治療)+解熱鎮痛薬(熱対応)、処方された去痰薬(痰)+市販の咳止め(鎮咳成分なし)
安全に確認する方法(セルフチェックリスト)
- 商品名ではなく成分名を見る
- 同じカテゴリーの薬(例:解熱鎮痛薬・胃薬・アレルギー薬)は重複しやすい
- 添付文書の「併用禁忌」「併用注意」を守る
- 不安があれば登録販売者・薬剤師に相談
注意が必要な人
- 高齢者
- 子ども
- 妊娠中・授乳中
- 持病がある人
薬を飲んだ時刻・量をメモしておくと事故防止になります。
まとめ
処方薬と市販薬の併用は「同じ成分を重ねないこと」が何より大事。迷ったとき・不安なとき・家族の薬が心配なときは、登録販売者や薬剤師にいつでも相談してくださいね😊



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