💡 はじめに
ドラッグストアでよく聞かれる質問――
「同じ成分の薬なのに、なんでこっちは安いんですか?」
「添加物って関係あります?効き目が変わるんですか?」
「ジェネリックって本当に同じなんですか?」
実は、市販薬(OTC医薬品)は
“有効成分が同じでも、価格がまったく違う”
ということが珍しくありません。
この記事では、登録販売者の視点から
- 成分が同じなのに価格が違う理由
- 添加物は効き目に影響するのか
- PB(プライベートブランド)とメーカー品の違い
- ジェネリックとの関連性
をわかりやすく解説します。
🧪 第1章:有効成分が同じ=同じ薬、ではない
例えば、
- アレグラFX
- フェキソフェナジン錠「PB品」
どちらも有効成分はフェキソフェナジン塩酸塩 60mg
しかし価格差は倍以上になる場合があります。
これは、
医薬品は「有効成分だけ」でできているわけではないから
です。
🧂 第2章:添加物は効き目に影響するのか?
医薬品には、有効成分以外に
- 結合剤
- コーティング成分
- 着色料
- 甘味料
- 賦形剤(かさ増しする粉)
などが含まれています。
これらは表記上 “添加物” と呼ばれます。
✔ 添加物が違うと何が変わる?
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| △ 効き目そのもの | 基本変わらない(同等性あり) |
| ◎ 飲みやすさ | 錠剤サイズ・味・においが変わる |
| ◎ 溶け方 | 吸収の速度が変わることがある |
| ◎ アレルギー | 特定成分(乳糖・赤色○号など)に注意 |
→ 副作用相談で一番多いのは実は添加物です
💊 第3章:ジェネリック医薬品との関係
医療用医薬品では、
ジェネリック=先発品と同等の有効性・安全性が認められた薬
市販薬の場合は少し事情が違いますが、
「先行メーカー品」と「後発メーカー品」の関係は
ほぼジェネリックに近いというのが実態です。
✔ 違いが出るのはここ
| 項目 | 先発メーカー品 | PB・後発製品 |
|---|---|---|
| ブランド力 | ◎ 強い | △ 弱い |
| 価格 | 高め | 安い |
| 添加物 | 独自配合が多い | シンプルなことが多い |
| 飲みやすさ | 工夫されている | シンプル設計 |
| 広告 | 多い | ほぼなし |
🏪 第4章:ドラッグストアでよくある価格差の実例
| 製品A(メーカー品) | 製品B(PB品) |
|---|---|
| ロキソニンS | ロキソプロフェン錠(PB) |
| アレグラFX | フェキソフェナジン錠(PB) |
| パブロンゴールドA | 〇〇感冒薬(PB) |
| ベンザブロック | 〇〇総合感冒薬(PB) |
価格差は 1.5倍〜3倍以上 になることもあります。
🧭 第5章:登録販売者として案内するポイント
✔ ① 「成分比較」ができることが信頼につながる
→ 添付文書を見れば誰でも確認できる
→ “成分が同じなので効き目は同等です” と説明できる
✔ ② 添加物アレルギーの有無を確認する
例:
- 錠剤サイズが大きい → 飲みにくい人がいる
- 乳糖不耐症 → 乳糖入りの錠剤は避ける
- 妊娠中 → 着色料に注意することもある
✔ ③ 価格で決めてもいいケース
- 今回だけ使いたい
- まとめ買いしたい
- 副作用歴なし
- すでに有効成分を理解している
✔ ④ あえてメーカー品をすすめるケース
- 小児向け(味・飲みやすさが違うため)
- 高齢者向け(溶けやすさ・服用錠数が違う)
- 服薬コンプライアンスを重視したいとき
🗣️ くすりちゃん&しずくちゃんの会話パート
くすりちゃん:「ねぇ!こっちの薬のほうが半額だけど、効き目も半分なの?」
しずくちゃん:「違うよ。有効成分は同じだから効果は変わらないよ。」
くすりちゃん:「じゃあなんで安いの?」
しずくちゃん:「ブランド料や製造コストの違いだね。成分表示を見れば判断できるよ!」
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