「病院に行くほどでもないけど、つらい…」
「市販薬で様子をみるって、どこまでやっていいの?」
そんなときに役立つのが、市販薬を上手に使った“セルフメディケーション”です。
でも実際の売り場では、
・とりあえず有名な商品を選んでいる
・前に効いた気がする薬をなんとなくリピート
・ネットの口コミだけで判断している
という方も多く、「市販薬との付き合い方」がよくわからないままになっているケースも少なくありません。
この記事では登録販売者の視点から、
・セルフメディケーションってそもそも何?
・市販薬で対応しやすい症状と、受診したほうがいい症状
・市販薬と付き合うための“基本3ステップ”
をやさしく解説します。
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セルフメディケーションってなに?
セルフメディケーションとは、簡単に言うと
「自分の健康は自分で守る」という考え方
です。
・日頃から体調管理や生活習慣を整える
・軽い体調不良は、市販薬やセルフケアで対処する
・必要なときは早めに医療機関につなげる
このバランスを取っていくのが、セルフメディケーションの基本です。
市販薬を使うことは、その一部分にすぎません。
「飲めばOK」ではなく、
・“どんな症状に”
・“どんな薬を”
・“どんなふうに使うか”
を考えることが大切です。
市販薬で対応しやすい症状/病院を優先したい症状
まずはざっくりとした「線引き」をイメージしておきましょう。
市販薬で様子を見やすいケース(目安)
・軽い風邪症状(のどの痛み、鼻水、微熱 など)
・一時的な頭痛・生理痛・肩こり
・軽い胃もたれ・食べすぎ・胸やけ
・いつもと同じタイプの便秘や下痢(軽め)
・軽いかゆみや虫さされ、ちょっとした擦り傷 など
ただし、
・症状が長引く
・だんだん悪化している
・何度も同じ症状をくり返す
ときは、市販薬にこだわらず受診したほうが安心です。
すぐ受診を考えたほうがいいケース(目安)
・突然の激しい痛み(頭痛・腹痛・胸の痛み など)
・高熱が続く、ぐったりして反応が鈍い
・呼吸が苦しい、ゼーゼーしている
・今までにない強いめまい・しびれ・ろれつが回らない
・顔や喉の腫れ、全身のじんましん など
これらは市販薬での様子見には向かない症状です。
▼「市販薬でどこまで様子を見ていいか?」を詳しく知りたい方はこちら
➡ 市販薬で受診すべきタイミング|危険なサインまとめ
市販薬と付き合う「基本の3ステップ」
セルフメディケーションを実践するときは、次の“3ステップ”で考えると整理しやすくなります。
- 【選ぶ】 自分の症状に合う市販薬を選ぶ
- 【使う】 用法・用量・タイミングを守って使う
- 【振り返る】 効き方と体の変化をチェックする
それぞれ、もう少し具体的に見ていきましょう。
ステップ① 自分の症状に合う市販薬を「選ぶ」
1. 症状をざっくり整理する
・“どこが”つらい?(のど・鼻・頭・胃・関節など)
・“いつから”どんなふうに?(急に/だんだんなど)
・ほかに気になる症状は?(発熱・動悸・息苦しさなど)
なんとなく売り場に行くよりも、頭の中で症状を整理しておくだけで選びやすくなります。
2. 箱や表示で“対象症状”をチェック
・パッケージ表面の「効能・効果」のところ
・「鼻水に」「咳に」「胃もたれに」など、どの症状向けか
・第1類・第2類・指定第2類・第3類の違い
▼表示の見方はこちらの記事で詳しく解説しています
➡ 市販薬の箱・ラベル・添付文書の読み方|なぜちゃんと読むべきなの?
3. 成分の違いも少し意識してみる
・イブプロフェン/ロキソプロフェン/アセトアミノフェン など
・眠くなりやすい成分が入っているか
・胃に負担がかかりやすい成分かどうか
成分の違いをざっくり知っておくと、
・「なんとなく有名だから」ではなく
・「自分に合いそうだから」選べる
ようになっていきます。
▼メーカーや価格の違いが気になる方はこちら
➡ 市販薬はメーカーによってどう違う?成分・価格・添加物の見分け方
ステップ② 正しいタイミングと量を守って「使う」
市販薬は、「どう飲むか」で効き方が大きく変わります。
1. 用法・用量は“自己判断でアレンジしない”
・決められた回数より減らす → 効き目が弱くなる
・回数や量を増やす → 副作用リスクが上がる
「早く治したいから」と増やしたくなる気持ちはわかりますが、
ここはグッとこらえましょう。
2. 飲むタイミングを意識する
・食前/食間/食後/就寝前の指定には意味がある
・胃薬や下痢止めなどは、タイミングで効き方が変わる
▼詳しくはこの記事で解説しています
➡ 市販薬の効き目を最大にする飲み方・タイミングまとめ
3. 「飲んだあとにやってはいけない行動」に注意
・アルコールを多く飲む
・強いカフェイン飲料と合わせまくる
・眠くなる薬を飲んで運転する
などは、市販薬との相性がよくありません。
▼どんな行動がNGなのかはこちら
➡ 市販薬を飲んだあとにやってはいけない行動10選
ステップ③ 効き方を「振り返る」&受診の目安を決めておく
セルフメディケーションで意外と抜けやすいのが、この“振り返り”の部分です。
1. 事前に「何日まで様子を見るか」を決める
・風邪薬なら〇日
・頭痛薬なら何回まで
と、あらかじめ自分なりの“受診ライン”を決めておくと、
・ダラダラ飲み続けてしまう
・我慢しすぎる
のを防ぎやすくなります。
▼服用期間の目安はこちら
➡ 市販薬はどれくらい飲み続けていい?服用期間の目安・症状別の注意点
2. 「効かない」と感じたときのチェックポイント
・症状に合った薬を選べていたか
・飲むタイミングは合っていたか
・飲み忘れや自己判断での増減がなかったか
▼詳しく整理した記事はこちら
➡ 市販薬が「効かない」と感じる理由と正しい対処法まとめ
3. 特定の人は、さらに慎重な判断を
・子どもや高齢の家族
・持病(高血圧・心臓病・腎臓病・糖尿病など)がある人
・妊娠中・授乳中の方
ドラッグストアで“相談する”のもセルフメディケーションの一部
セルフメディケーションは「一人で全部判断すること」ではありません。
・症状の整理をして売り場に行く
・わからないところは登録販売者や薬剤師に相談する
・自分で決めすぎず、専門家の目も借りる
この流れも立派なセルフメディケーションです。
くすりちゃん&しずくちゃんのセルフメディケーション講座
くすりちゃん
「市販薬って、“買う→飲む→終わり” じゃなくて、“選ぶ→使う→振り返る” までセットなんだね〜。」
しずくちゃん
「そうそう。症状に合った薬を選んで、決められた飲み方を守って、効き方を確認する。これがセルフメディケーションの基本だよ。」
くすりちゃん
「わからないことがあったら、表示を見たり、私たち登録販売者に聞いたりすればいいんだよね?」
しずくちゃん
「うん。“一人で抱え込まないセルフメディケーション” が一番安全。ドラッグストアは、相談のためにある場所でもあるからね。」
くすりちゃん
「みんなが上手に市販薬を使えるように、これからも一緒にサポートしていこうね〜!」
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➡ 市販薬の箱・ラベル・添付文書の読み方|なぜちゃんと読むべきなの?
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