2025年7月23日、厚生労働省から市販薬の一部に対し、18歳未満への販売制限を導入する方針が発表されました。 この規制は、濫用やオーバードーズ(OD)を防止することが目的で、若年層による市販薬の不適切な使用が社会的に問題視されてきた背景があります。
この記事では、登録販売者や保護者の方が押さえておきたい情報や、実際の対応についてわかりやすく解説します。
1. なぜ18歳未満への制限が導入されるのか?
市販薬を使用したオーバードーズ(OD)=過剰摂取による健康被害が、10代を中心に急増しています。SNSや動画サイトでの情報拡散が要因の一つとされ、意図的に多量摂取するケースも報告されています。
特に以下のような成分を含む薬は注意が必要です:
- ジヒドロコデイン(咳止め)
- ブロモバレリル尿素(鎮静成分)
- エフェドリン(かぜ薬、鼻炎薬)
こうした成分が含まれる薬を若年者が頻繁に購入していたケースが確認され、規制の必要性が高まりました。
👉 詳細な分類や注意点はこちらの記事で解説しています: 指定第◯類医薬品とは?市販薬の分類と選び方
2. 制限対象になる薬とは?
現時点(2025年7月)では、具体的な銘柄は発表されていませんが、厚労省は以下のような成分ベースで規制を検討しています。
- 咳止め成分:ジヒドロコデインリン酸塩、メチルエフェドリンなど
- 鎮静系:ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素
- 総合感冒薬の一部や睡眠改善薬にも含まれる
これらは「指定第2類医薬品」や「第1類医薬品」に含まれることが多く、登録販売者の適切な説明が求められます。
👉 飲み合わせにも注意! 薬の飲み合わせNG例とその理由
3. 制限ルールと想定される対応
厚労省案によると、**18歳未満への販売時に「個数制限」や「本人確認」**が必要になる見込みです。完全に購入禁止になるわけではありません。
▼ 想定される運用方法:
- 1人あたりの購入数の上限設定(例:月1個まで)
- 年齢確認(保険証・学生証など)
- 購入履歴の管理(店舗でのメモ、POS連携など)
- 明らかに不審な購入動機・態度への対応
4. 登録販売者・保護者の対応ポイント
登録販売者が行うべきこと:
- 年齢確認と声かけルールの徹底
- 説明文書やPOPによる注意喚起
- 保護者への相談促進
- 購入履歴の管理方法の整備
保護者ができる対策:
- 市販薬の保管場所を見直す(鍵付き収納など)
- 子どもの体調不良時に保護者が確認・管理する習慣を
- SNSやネットの薬に関する誤情報に注意
👉 家庭での管理に役立つ記事: 薬を買うときに役立つチェックリスト(登録販売者監修)
5. 今後のスケジュール
時期 | 予定・動き |
---|---|
2025年7月23日 | 厚労省が指針を発表(案) |
2025年秋〜冬 | パブリックコメント、公聴会 |
2026年春頃? | 実施予定(制度化) |
実施時期や対象成分の詳細は、今後の発表を注視しましょう。
✅ まとめ
- 若年層による市販薬の濫用・ODが社会問題に
- 2025年7月から規制が始まり、段階的に強化される見込み
- 登録販売者・保護者ともに正しい理解と管理が重要
医薬品の適正使用を通じて、未来ある子どもたちの健康を守る。 そのために、日々の声かけや家庭での備えを、今から始めましょう。
👉 登録販売者・副業パパのゆるっと情報はXでも発信中! 最新記事はこちら @fukusuri_papa
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